世界大会開始。
オリンピックさながらに国名を呼ばれ、国旗とともに会場に入る。
日本代表として恥じない施術を、と気合が入る。
僕はこの1時間の決勝戦のために今まで準備し、仕事も休み、航空券代も払ってきた。
決勝戦は今までと違い、モデルを審査員がおこなう。
モデルはクジなのか、意図的に決められているのか分からない。
自分のモデルはヨーロピアンの女性で、自分と身長が同じくらい。
世界中のホテルスパで講義をしているので日本でも仕事あれば、と前日に少し話したのもありフレンドリーには始まった。
しかし。股関節の可動域が狭く、股関節のストレッチが決まりにくい。
手の置き直しも何回かあった。
さらに後半、モデルのあぐらがかきにくく、ストレッチのポーズにバランスをとりきれないことが多かった。
ピーンという自分の得意な決めポーズもまあまあに終わってしまった。
平常心で技の切り替え対応もよくできたと思うが、自分の持ち味が出せたかは微妙だった。
結果は入賞できず。
運も実力のうちとはよく言ったもので、モデルで難があったのは、普段の行いのカルマである。
日頃から徳を積み直し、日々の施術を改めるとする。。
結果、「Nuad Thai for Health」で栗原哲也さんが世界銀メダル!
Thai Massage Inspiration」唐鎌由利亜さんが世界金メダルを獲得してくれた。
日本のタイマッサージのレベルの高さを広めてくれた。
もはや天女の美しさ。これが世界一の施術。
来年の世界大会は日本かもしれないといわれているが、どこであれ日本のタイマッサージセラピストには参加を勧めたい。
勝って得るものもあるが負けて得るものも多い。
普段の施術は基本的に喜ばれ、サロンワークでも指名数やリピート数の優劣くらいで勝ち負けはあまりないと思う。
出場し評価されることで、自分の優れているところ、自分に足りないものを客観的に見直す機会になり、セラピストとしても人間としても大きくなれる。
僕は今後、自身のブラッシュアップ半分、後世の育成半分で数年を過ごす予定だ。
リラリラ代表 林泰之